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- 2023.06.06 Tuesday
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佼成5月号の「おかげさま」に掲載されました。
〜ポスター〜
夫(好市・71)に進行性核上性麻痺という難病が発覚したのは7年前です。脳内の神経細胞が減少するこの病は、歩行や眼球運動などの障害のほか、進行すると体が動かなくなります。夫は自宅療養を続けていましたが、四年前から寝たきりの入院生活をおくっています。
おしゃべりで、人を楽しませることが好きだった夫が、いまでは言葉を発しなくなり、呼びかけに対しても少し首を傾けて反応する程度です。私にとっては生きてくれているだけで心の支えになっています。でも、建築士で職人気質だった夫が「こんな状態になってまで生きていたくない!」と思うのではないかと、複雑な気持ちでいました。
今年の一月上旬、私は佼成会京都教会の宇治道場を参拝しました。そのとき、ふと佼成会のポスターが目にとまりました。そこには「生きてるだけで、金メダル」と書かれていたのです。
その文字を見たとき、「お父さんも金メダルなんだ。どんな姿であっても、いま、命あることが尊いことなのだ」と心の底から感じました。
翌日、私は入院中の夫のもとに行き、「お父さんは金メダルなんよ。ありがたいね」と耳元で伝えました。夫から何か応答があるわけではありません。けれど、命をいただいていることに感謝をしていこうと心が定まりました。
一方的ではありますが、病をとおして夫との会話が増え、寄り添いたいという気持ちが強まりました。これからも、夫婦ですごせることに感謝し、夫とともに歩んでいきます。
岩田かよ